投稿履歴
- npmとYarn、開発者が知るべき違いとは?
- 【Linux】nanoコマンドの使い方 | 基本操作からショートカット、便利設定
- 「Git pull 強制」は危険?ローカル変更を破棄してリモートに合わせる安全な方法
- 【保存版】PNGとJPEGの違いを徹底比較!用途別使い分けガイド
- GUIとCUIの違いとは?初心者でもわかるメリット・デメリットと使い分けを徹底解説
- Web1 Web2 Web3 違いを徹底解説:それぞれの特徴と比較
- SMTP・POP3・IMAPの違いを徹底解説 | メール送受信プロトコル
- 【Linux】容量の大きいファイル・ディレクトリを確認する方法
- nc(Netcat)コマンド徹底解説|ポート指定で疎通確認する
- 【VSCode】JSON・XMLを整形・最小化する方法
- 【Excel】シートが見えない!表示されない原因と対処法
- 【Linux】lsofコマンドの見方・活用ガイド
- 【A5M2】テーブルにNULL値を入力する方法
- 【Linux】標準出力と標準エラー出力の違い
- DRAMとSRAMの違い・覚え方を徹底解説!
- 【サクラエディタ】スペースとタブを置換する方法
- 【Excel】VBAの起動方法(開発タブが表示されない場合)
- 今日から使える!Gitコミットメッセージの書き方と型
- 【Excel】区切り指定でCSVを貼り付ける方法
- 【Linux】テキストファイルの重複行を削除する方法
Dockerは、アプリケーションを軽量なコンテナとして実行できるツールであり、仮想環境の構築や依存関係の管理を効率的に行えるため、開発や運用の現場で広く活用されています。仮想マシンと異なり、コンテナはホストOSのカーネルを共有するため、起動が高速で、リソースの使用効率も高いのが特徴です。本記事では、Dockerを使った「OSイメージの取得」「コンテナの作成」「起動」までの一連の基本操作について、具体的なコマンド例を交えて解説します。
前提
- Dockerコマンドの実行はPowershellを利用する。
- DockerDesktopがインストールされていること。
※以下バージョンで確認を行っています。
確認したDockerのバージョン
以下コマンドでバージョンを確認します。
docker version出力例(DockerDesktopの場合)
…Server: Docker Desktop 4.36.0 (175267) Engine: Version: 27.3.1…Docker Desktop 4.36.0で確認を行っています。
Dockerイメージはコンテナ作成のテンプレート
Dockerイメージは、コンテナを作成するための設計図やテンプレートに相当します。OSのファイルシステムやアプリケーション、ライブラリ、設定ファイルなどが層(レイヤー)として構成されており、このイメージから実行可能なコンテナが生成されます。Dockerイメージは読み取り専用であり、複数のコンテナで同じイメージを共有できます。そのため、開発チーム内で統一された環境を再現したり、本番環境と同一の設定で動作確認を行うことが可能です。
「docker pull」でイメージ取得
Dockerイメージは主にDocker Hubと呼ばれる公式のパブリックレジストリから取得します。docker pullコマンドを使用することで、リモートリポジトリからローカル環境へイメージをダウンロードできます。
docker pullの構文
docker pull [OPTIONS] NAME[:TAG|@DIGEST]docker pullコマンド例
Ubuntuの場合
以下コマンドで最新のUbuntuイメージを取得します。
docker pull ubuntu:latestこのコマンドは、Ubuntuの最新版イメージをDocker Hubから取得し、ローカルに保存します。タグ(この例ではlatest)を指定しない場合、デフォルトでlatestタグが使用されます。特定のバージョンを指定したい場合は、以下のように明示できます。
docker pull ubuntu:24.04CentOSの場合
CentOSの場合は以下のように指定します。
docker pull centos:centos7Debianの場合
Debianの場合は以下のように指定します。
docker pull debian:latestdocker pull debian:12.10タグ、ダイジェストの確認方法
タグ、ダイジェストはDocker Hubのページ(以下リンク)を参照してください。
「docker images」でイメージ確認
以下コマンドで取得したイメージの一覧を表示します。
docker images以下、実行結果の例になります。
REPOSITORY TAG IMAGE ID CREATED SIZEubuntu 24.04 a0e45e2ce6e6 10 days ago 78.1MBubuntu latest a0e45e2ce6e6 10 days ago 78.1MBdebian 12.10 b2ab84c007fe 11 days ago 117MBdebian latest b2ab84c007fe 11 days ago 117MBcentos centos7 eeb6ee3f44bd 3 years ago 204MB「docker run」でコンテナ作成
取得したイメージからコンテナを作成し、同時に起動するには、docker runコマンドを使用します。
以下コマンドでイメージからコンテナを作成します。
docker run -itd --name="my-ubuntu" ubuntu:24.04 /bin/bash上記コマンドはmy-ubuntuという名前のコンテナが作成されます。
このコマンドの各オプションの意味は以下の通りです。
-itd:-iは標準入力を有効にし、-tは疑似ターミナルを割り当てます。これにより、対話的なシェル(例:bash)にアクセスできます。-dはコンテナをバックグラウンド(デタッチド)モードで起動します。シェルへのアタッチを行わず、プロンプトが即座に返り、継続して動作し続けるプロセスを起動できます。--name:my-ubuntu:新しく作成されるコンテナに「my-ubuntu」という名前を付けます。ubuntu:24.04:使用するイメージを指定します。
「docker ps」でプロセス確認
以下コマンドでコンテナの一覧を表示します。
起動しているコンテナを表示する
docker ps先ほど作成したNAMES my-ubuntuがSTATUS Upで起動していることを確認できました。
$ docker psCONTAINER ID IMAGE COMMAND CREATED STATUS PORTS NAMESc548d8d35271 ubuntu "/bin/bash" 5 seconds ago Up 4 seconds my-ubuntu全てのコンテナを表示する
停止しているコンテナを含め、すべてのコンテナを表示する場合は、-aを指定します。
docker ps -a「docke start」でコンテナ起動
以下のようにコンテナが起動していない場合は、
> docker psCONTAINER ID IMAGE COMMAND CREATED STATUS PORTS NAMESdocker start [コンテナ名]でコンテナを起動します。
コンテナ名(my-ubuntu)を起動する場合
docker start my-ubuntu以下のように指定したコンテナ名が出力されればOKです。
$ docker start my-ubuntumy-ubuntudocker psでコンテナのSTATUSがUpになっていることも確認してください。
> docker psCONTAINER ID IMAGE COMMAND CREATED STATUS PORTS NAMESde4406f4d083 ubuntu:24.04 "/bin/bash" 2 minutes ago Up 57 seconds my-ubuntu「docker exec」でコンテナに入る
コンテナに入る際は、以下コマンドを実行します。
コンテナ名(my-ubuntu)にログインする場合
docker container exec -it my-ubuntu /bin/bash以下のようにコンテナにログインできればOKです。
root@[コンテナID]:/#コンテナの停止と削除
起動中のコンテナを停止するには以下のコマンドを使用します。
docker stop my-ubuntu不要になったコンテナは以下コマンドで削除できます。
docker rm my-ubuntuDocker操作まとめ
Dockerを活用すれば、環境構築の手間を大幅に削減し、開発と本番環境の差異による不具合も最小限に抑えられます。本記事で紹介した「イメージの取得」「コンテナの作成」「起動」といった基本操作をマスターすることで、Dockerの活用範囲は大きく広がります。
さらに応用として、Dockerfileを使って独自のイメージを構築したり、複数のコンテナをまとめて管理できるDocker Composeの導入もおすすめです。また、Kubernetesなどのコンテナオーケストレーションツールと組み合わせることで、スケーラビリティや可用性の高いシステムの構築も可能になります。
まずは基本を確実に身につけ、小さなプロジェクトからDockerを取り入れてみることが、スムーズなステップアップにつながるでしょう。
Dockerユーザにお勧めの本
以上で本記事の解説を終わります。
よいITライフを!