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コンテナを運用していると「エラーが出ていないか確認したい」「処理の流れを追いたい」といった場面が必ず出てきます。そんなときに役立つのが docker logs
コマンドです。特にdocker logsのオプションをうまく活用することで、効率的に必要な情報を抽出し、トラブルシューティングのスピードを大幅に向上させられます。
本記事では、初心者でも理解しやすいように docker logs
の基本から、実務でよく使うオプションや活用シーンまで詳しく解説します。
docker logs
コマンドとは?
docker logs
は、Docker コンテナが出力した標準出力(stdout)や標準エラー出力(stderr)を取得・表示するコマンドです。アプリケーションのログファイルに直接アクセスしなくても、コンテナの内部で出力されたメッセージを手軽に確認できます。
例えば以下のような場面で役立ちます。
- Web アプリケーションのエラーメッセージ確認
- データベースの起動エラー調査
- バッチ処理の進行状況確認
「docker logs」基本構文
docker logs [OPTIONS] コンテナ名またはID
以下はもっともシンプルな実行例で、指定したコンテナのログ全体を出力します。(コンテナ名:my-appの場合)
docker logs my-app
「docker logs」よく使うオプションと活用例
docker logs -f
(追跡表示)
リアルタイムでログを追跡できるオプションです。Linux の tail -f
コマンドと同じ動作をします。
docker logs -f my-app
Web サーバーのアクセスログを監視したり、実行中の処理を追いかけたいときに便利です。特に開発中の API 連携の確認に役立ちます。
docker logs --tail
(末尾から表示)
直近のログだけを表示したいときに活用します。大量のログがある環境で全件を読み込むのは非効率なので、このオプションで制御しましょう。
docker logs --tail 100 my-app
最新100行だけ確認できます。例えば「直前のデプロイ後のログだけ見たい」といった用途に最適です。
docker logs -t
(タイムスタンプ付き表示)
ログ出力に日時を付与するオプションです。発生した時刻を把握できるので、障害調査や他のシステムログとの突き合わせに必須です。
docker logs -t my-app
「何時にエラーが出たのか」を明確にでき、監視ツールや他のログと比較するときに役立ちます。
docker logs --since
(指定時刻以降のログを表示)
特定の時刻以降のログだけを抽出します。時間指定は ISO 8601 形式だけでなく、相対指定(例: 10m
= 10分前)も可能です。
2025-09-01T08:00:00以降のログを出力
docker logs --since 2025-09-01T08:00:00 my-app
10分前以降のログを出力
docker logs --since 10m my-app
障害が発生した時間帯に絞ってログを確認できるため、効率的に原因調査が行えます。
docker logs --until
(指定時刻までのログを表示)
--since
と組み合わせることで、特定の期間のログを切り出すことが可能です。
docker logs --since 2025-09-01T08:00:00 --until 2025-09-01T09:00:00 my-app
例えば「午前8時から9時までのログ」など、ピンポイントで調査できるので便利です。
docker logs --details
(追加情報を表示)
一部のログには環境変数やメタデータなど追加情報が含まれています。--details
を使うと、それらを表示できます。
docker logs --details my-app
ログの詳細をさらに掘り下げたい場合に活用できます。
「docker logs」オプションの組み合わせ例
実務では単体よりも複数のオプションを組み合わせることが多いです。以下はよく使う組み合わせです。
例1: リアルタイムで最新ログ100行を確認
docker logs -f --tail 100 my-app
開発中に API リクエストの結果を逐次確認するケースで便利。
例2: 過去10分間のログをタイムスタンプ付きで確認
docker logs -t --since 10m my-app
エラーが出た直後の調査で役立ちます。
例3: 特定の時間帯(1時間)のみ確認
docker logs --since 2025-09-01T08:00:00 --until 2025-09-01T09:00:00 -t my-app
システム監視と突き合わせるときに有効です。
docker logsまとめ
-
docker logs
はコンテナの標準出力・標準エラーを確認するための基本コマンド -
よく使うオプションは以下の通り
-f
:リアルタイム追跡--tail
:直近のログだけ-t
:タイムスタンプ表示--since
/--until
:時間で絞り込み--details
:追加情報を表示
-
オプションを組み合わせることで、効率的にデバッグ・監視が可能
初心者の方はまず docker logs -f --tail 100 コンテナ名
を試してみましょう。リアルタイムでログを追えるようになるだけで、デバッグ効率が格段に上がります。その上で、障害調査や監視シナリオに合わせて --since
や -t
を活用すると、さらに効果的に運用できます。
実務での活用ポイント
- デプロイ確認:新しいバージョンをリリースした直後に
docker logs -f
でエラーが出ていないかを監視 - 障害対応:
--since
と--until
で対象期間を絞り、必要なログだけを抽出 - ログ量削減:
--tail
で直近のログだけ確認し、調査効率を向上
参考リンク
以上で本記事の解説を終わります。
よいITライフを!