グローバルIPとプライベートIPの違いとは?範囲と覚え方を解説

グローバルIPとプライベートIPの違いとは?範囲と覚え方を解説

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IPアドレスはインターネット上の住所です。本記事ではグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの特徴、用途や違い・覚え方を解説します。グローバルIPは「外向き(インターネット用)」、プライベートIPは「内向き(ローカル用)」と覚えると理解しやすいです。


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インターネットやネットワークについて調べていると、「グローバルIPアドレス」や「プライベートIPアドレス」といった用語に出会うことがあります。これらは、ネットワーク通信において非常に重要な概念であり、家庭用ネットワークから企業システム、クラウド環境に至るまで、あらゆる場所で使われています。

本記事では、それぞれのIPアドレスの定義や仕組み、使われ方からグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの違いや覚え方を詳しく解説していきます。

記事のポイント

  • IPアドレスはネットワーク機器を識別する「住所」で、IPv4では主にグローバルIPとプライベートIPに分かれる
  • グローバルIPはインターネット上で同一時点に一意に割り当てられ、外部との通信に使われる
  • プライベートIPは家庭や企業内のローカルネットワークでのみ有効で、外部から直接アクセスできない
  • プライベートIPはNATによりグローバルIPへ変換され、1つのグローバルIPを複数端末で共有できる
  • 外部公開にはグローバルIPと適切なセキュリティ対策が必要で、内部通信にはプライベートIPが使われる

IPアドレスはコンピュータ上の住所

IPアドレスはコンピュータ上の住所 🏠 ネットワーク機器が通信を行うための「住所」 IPv4(例:192.168.1.1)とIPv6(例:2001:0db8:85a3...) 2つの種類 グローバルIP インターネット上で一意 🌐 特徴: • 世界で一意(重複なし) • ISPから提供 • 外部と直接通信可能 • 静的IP/動的IPあり 用途例: Webサーバー、ルーター プライベートIP ローカルネットワーク内で一意 🏡 特徴: • LAN内でのみ有効 • NATで外部通信 • セキュリティ面で有利 • DHCPで自動割当 予約範囲: 10.x.x.x / 172.16-31.x.x / 192.168.x.x NAT変換

IPアドレス(Internet Protocol Address)とは、コンピュータやスマートフォン、ルーターなどのネットワーク機器が通信を行うための「住所」のようなものです。このIPアドレスにより、ネットワーク上の送信先や送信元を特定することが可能になります。

現在広く使われているIPアドレスには、IPv4(例:192.168.1.1)と、より新しいIPv6(例:2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334)の2つのバージョンがありますが、この記事ではIPv4を前提として解説します。

IPアドレスは大きく分けて以下の2種類に分類されます。

  • グローバルIPアドレス
  • プライベートIPアドレス

この2つのアドレスは役割も使われ方もまったく異なります。

グローバルIPはインターネット上で一意

  • インターネット上で一意に割り当てられるIPアドレスです。
  • インターネットに直接接続するデバイスやネットワークに対して割り当てられます。
  • 世界中でユニーク(同一時点では重複しない)であり、同じIPアドレスが他のデバイスに割り当てられることはありません。

グローバルIPアドレスは、インターネット上で同一時点では一意の存在であり、全世界でただひとつだけの番号が割り当てられます。このIPアドレスは、インターネット上の他のネットワーク機器と直接通信を行うために使用されます。

たとえば、あなたの自宅のインターネット回線に接続されているルーターには、インターネットプロバイダ(ISP)からグローバルIPアドレスが割り当てられます。ルーターはこのアドレスを使ってインターネットと通信します。

クラウドサービスで仮想サーバーを立てるときや、ウェブサイトを公開する際も、このグローバルIPアドレスを利用します。

グローバルIPの特徴

  • インターネット上で一意に割り当てられる。
  • ISPやクラウド事業者によって提供されて、固定IPの場合は有料となることが多い。
  • 直接外部のネットワークと通信できる。(適切なルーティングやファイアウォール設定が前提)
  • 静的(固定)IPと動的(可変)IPがある。

グローバルIPの用途

  • デバイスやネットワークがインターネット上の他のネットワークと通信するために使用されます。
    • : 家庭のルーターやWebサーバーに割り当てられるIPアドレス。

グローバルIPの例

  • 203.0.113.1
  • インターネットサービスプロバイダー(ISP)が各ユーザーに割り当てます。

プライベートIPアドレスはローカルネットワーク内で一意

プライベートIPアドレスは、家庭や企業内のローカルネットワーク内で使用されるアドレスです。このアドレスはインターネット上では一意である必要はなく、異なるローカルネットワーク内で同じプライベートIPが使われても問題ありません。

たとえば、自宅のWi-Fiに接続されたスマートフォンやノートパソコン、テレビなどには、ルーターによってプライベートIPアドレスが自動的に割り当てられます。これらの機器はまずローカルネットワークで通信し、インターネットに出るときにはルーターを介してグローバルIPアドレスに変換(NAT)されます。

  • 内部ネットワーク内でのみ使用されるIPアドレスです。
  • ルーターやファイアウォールの内側(LAN内)で利用されます。
  • 外部のインターネットからは直接アクセスできません。

プライベートIPの特徴

  • インターネットに直接接続できず、ローカルネットワーク内でのみ有効。
  • NAT(Network Address Translation)で外部通信を実現する。
  • 外部から直接アクセスできないため、セキュリティ面で有利。
  • IPアドレスは無料で利用でき、DHCPによりネットワーク機器に自動割り当てが可能。
  • 同じ範囲のIPアドレスが複数の異なるネットワークで利用可能。

プライベートIPの用途と範囲

  • ローカルネットワーク内のデバイス(PC、スマートフォン、プリンタなど)が互いに通信するために使用されます。

    • : 家庭やオフィスのLAN内の各デバイス。
  • プライベートIPアドレスの範囲(以下の範囲がRFC1918で予約されています)

    • 10.0.0.010.255.255.255
    • 172.16.0.0172.31.255.255
    • 192.168.0.0192.168.255.255

グローバルIPとプライベートIPの違い

グローバルIPとプライベートIPの違い グローバルIP = 郵便の住所 ✓ インターネット全体で使える ✓ 世界で一意(唯一無二) ✓ ISPやクラウド事業者が割当 ⚠ 外部から直接アクセス可能 例: 203.0.113.1 プライベートIP 内線 = 社内の内線番号 ✓ ローカルネットワーク内のみ ✓ 同じネットワーク内で一意 ✓ ルーターやDHCPが割当 ✓ 外部から直接アクセス不可 例: 192.168.0.2 🔄 NAT(ナット)で2つのIPを結びつける 家の中に何台もデバイスがあっても、グローバルIPは 通常「1つ」だけ → NATで全員がネットを使える! ①スマホ → ルーター 「この動画が見たい!」(プライベートIP) ②ルーター → インターネット 代わりにリクエスト送信(グローバルIP) ③ルーター → スマホ 「これはあのスマホ用だ」と判断して配信 💡 この「IP変換」で、1つのグローバルIPを家族みんなで共有! ルーター(グローバルIP: 203.0.113.1)→ PC・スマホ・プリンタ(各プライベートIP)

両者の違いを以下の表にまとめました。

項目グローバルIPアドレスプライベートIPアドレス
利用範囲インターネット全体ローカルネットワーク内
一意性世界で一意同一ネットワーク内で一意
割り当て元ISP、クラウド事業者ルーターやDHCPサーバー
セキュリティ外部から直接アクセス可能外部から直接アクセス不可で比較的安全
NATの必要性原則不要通常必要
通信対象外部のインターネット全体同一ネットワーク内、またはNAT経由で外部

グローバルIPとプライベートIPの覚え方

グローバルIPとプライベートIPの違いを覚えるのに便利なイメージは、「郵便の住所」と「社内の内線番号」です。

  • グローバルIP:郵便を出すときに使う正式な住所。誰でもアクセスできる外部向けの識別子。
  • プライベートIP:社内の内線番号のように、限られた範囲(家庭や企業のネットワーク)でしか使えない番号。

つまり、「外向き(インターネット用):外の世界とつながるにはグローバルIP」「内向き(ローカル用):家の中や会社の中だけならプライベートIP」と覚えると理解しやすいです。

グローバルIPとプライベートIPの使い分け

たとえば、リモートワークで社内ネットワークにVPN接続する場合や、自宅からクラウド上のサーバーにアクセスする際には、グローバルIPが必須となります。一方で、家庭内で複数のデバイスを同時に使うときには、プライベートIPでローカルネットワークを効率よく運用できます。

また、グローバルIPはセキュリティリスクを伴います。誰でもアクセスできる状態になるため、ファイアウォールやアクセス制限などの対策が不可欠です。逆に、プライベートIPは外部から見えないことで自然な防御壁となります。

  • プライベートIPアドレスを持つデバイスがインターネットに接続する際、ルーターがNAT(Network Address Translation)を使用して、プライベートIPをグローバルIPに変換します。
  • これにより、1つのグローバルIPアドレスで複数のデバイスがインターネットに接続できるようになります。
  • NAT=完全なセキュリティではなくルーターの設定ミスで危険になることもあるので注意が必要です。

IPアドレスの活用例

  • 家庭のネットワーク構成:
    • ルーター(グローバルIP: 203.0.113.1
    • PC(プライベートIP: 192.168.0.2
    • スマホ(プライベートIP: 192.168.0.3
    • プリンタ(プライベートIP: 192.168.0.4

補足:203.0.113.1はドキュメンテーション用途に予約されている特殊なIPアドレスです。

この場合、家庭内のデバイスはプライベートIPを使って相互に通信しますが、インターネットアクセス時はルーターのグローバルIPを介して通信が行われます。

2つのIPを結びつける「NAT(ナット)」の仕組み

家の中に何台もスマホがあっても、プロバイダから提供されるグローバルIPは通常「1つ」だけです。では、どうやって全員がネットを使えているのでしょうか?

その秘密は、 ルーターの「NAT(Network Address Translation)」 という機能にあります。

  1. スマホが「この動画が見たい」とルーターに送る(送信元:プライベートIP)。
  2. ルーターが、自分の「グローバルIP」を使って代わりにインターネットへリクエストを送る。
  3. 返ってきた動画データを、ルーターが「これはあのスマホ用だ」と判断し、スマホに届ける。

この「IP変換」のおかげで、一つのグローバルIPを家族みんなで共有できているのです。

グローバルIPとプライベートIPよくある質問(FAQ)

グローバルIP と プライベートIP よくある質問 Q1. 固定IP と 動的IP の違いは? 固定 ずっと変わらない 動的 再起動で変わる(一般家庭) Q2. IPv4 と IPv6 とは? IPv4 現在の主流 IPv6 新規格(数が豊富) Q3. プライベートIP 教えても大丈夫? 外部から直接使えないので 直接攻撃にはつながらないが むやみに公開は不要 ★ まとめ ★ グローバルIP 🌐 インターネット上の正式な住所 IPv4では主にルーターが持つ プライベートIP 🏠 家の中の内輪の番号 個々のデバイスが持つ 💡 重要ポイント ネットワークの安全・効率的な運用には この違いと使い分けの理解が重要! IoT・テレワーク・クラウド時代に必須の知識

Q. 固定IPと動的IPは何が違うのですか?

A. グローバルIPには、ずっと変わらない「固定IP」と、ルーターの再起動などで変わる「動的IP」があります。一般家庭は「動的」が主流ですが、WEBサーバーを公開したりする場合は「固定」を使います。

Q. IPv4とIPv6というのもIPアドレスですか?

A. はい、IPアドレスの「規格」です。IPv4(現在の主流)は数が足りなくなってきたため、より多くの数を扱えるIPv6が普及し始めています。

Q. プライベートIPの番号を他人に教えても大丈夫ですか?

A. プライベートIPそのものは外の世界からは使えないため、教えても直接的な攻撃にはつながりませんが、基本的にはむやみに公開する必要はありません。

グローバルIPとプライベートIP違いまとめ

  • グローバルIP: インターネット上の正式な住所。IPv4では主にルーターが持っている。
  • プライベートIP: 家の中の内輪の番号。個々のデバイスが持っている。

グローバルIPアドレスは「インターネット上の正式な住所」、一方でプライベートIPアドレスは「家庭や会社の中だけで使われる内部住所」と捉えるとわかりやすいでしょう。

ネットワークを安全かつ効率的に構築・運用するためには、これらの違いと使いどころを正しく理解することが重要です。

今後、IoTやテレワーク、クラウドの普及に伴い、IPアドレスの管理と設計はさらに重要性を増していきます。この機会に、IPアドレスの基本とそれぞれの役割について深く理解しておきましょう。


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以上で本記事の解説を終わります。
よいITライフを!
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