RAIDとは
RAIDとは、複数のハードディスクを1つのハードディスクのように表示する技術です。
ディスクを組み合わせることで、読み込み・書き込み速度や信頼性を向上させることができます。
RAIDはRedundant Array of Inexpensive Disks(リダンダント・アレイ・オブ・インエクスペンシブ・ディスクズ)
の頭文字の略でレイドと読み、RAID0~RAID6の種類で分類されます。
RAIDのメリット
RAIDを使用する主なメリットは以下の通りです。
- データの書き込み・読み込み速度の高速化
- 冗長化による信頼性の向上
RAIDのデメリット
RAIDを使用する主なデメリットは以下の通りです。
- ディスクの増加により、導入コストが高くなる
RAIDの種類(RAID0~RAID6)
RAIDは0~6の種類があり、各概要は以下の通りです。
| 項目 | 方式 | 概要 |
|---|---|---|
| RAID0 | ストライピング | データをブロック単位に分割し、 複数のディスクに分散して書き込む。 |
| RAID1 | ミラーリング | 同じデータを複製して、2つのディスクに書き込む。 |
| RAID10 | ストライピング,ミラーリング | RAID0+RAID1のハイブリッド方式。 |
| RAID2 | ストライピング | 分散して書き込むデータ+誤り訂正符号(ECC)を 冗長コードとして専用ディスクに書き込む。 |
| RAID3 | ストライピング | 3台以上のディスクを使って書き込むデータ+誤り訂正符号(パリティ)を 専用ディスクに書き込む。 |
| RAID4 | ストライピング | 3台以上のディスクを使って書き込むデータ+誤り訂正符号(パリティ)を 専用ディスクに書き込む。 |
| RAID5 | ストライピング | 3台以上のディスクを使って書き込むデータ+誤り訂正符号(パリティ)を 分散して、専用ディスクに書き込む。 |
| RAID6 | ストライピング | RAID5の拡張。パリティを2重で分散して書き込む。 |
ストライピングとミラーリング
各RAIDで利用される方式のストライピングとミラーリングについて説明します。
ストライピング
ストライピングとは、データを複数のハードディスクに分散してディスクに書き込むことで、速度を向上させる方式です。
RAID0,RAID2,RAID3,RAID4,RAID5,RAID5で利用されています。
ストライピングのメリット
- 読み込み・書き込み速度が向上する
ストライピングのデメリット
- 1台が故障するとデータへアクセス・復旧ができなくなる
ミラーリング
ミラーリングとは、同じデータを複製して2つのディスクに書き込む方式です。
RADI1で利用されています。
メリット(ミラーリング)
- 1台が故障しても、もう1台のディスクによりすべてのデータへアクセス・復旧ができ、信頼性を向上させる
デメリット(ミラーリング)
- 同データを2台に書き込むことから、容量コストが倍になる
RAID0
ストライピングの方式を利用した構成です。
RAID0の特徴
- データをブロック単位で扱う
- 最低2台のハードディスクが必要
RAID1
ミラーリングの方式を利用した構成です。
RAID1の特徴
- 最低2台のハードディスクが必要
RAID10
ストライピング+ミラーリングを取り入れたハイブリッドの方式です。
RAID10の特徴
- ハードディスク2台で二重化したペア×2(計4台)を1組とする
- ストライピング+ミラーリングの方式を利用する
RAID10のメリット
- データを2台に分散して書き込むため、高速で読み書きができる
- ハードディスクが2台故障しても、同じペアのHDDが残っていれば復旧できる
RAID10のデメリット
- ハードディスク容量の半分しか利用できない
RAID2
データを分散させて書き込みするディスク(2台)と誤り訂正符号(ECC:Error Correction Code)を冗長コードとして専用ディスク(3台)に書き込む方式。
RAID2の特徴
- ストライピングの方式を利用
- ECCに
ハミング符号を利用 - データをビット単位で扱う
RAID2のデメリット
- ハミング符号の処理速度が遅い
- ハードディスクが最低5台必要でコストが掛かる
RAID3、RAID4
3台以上のディスクを使いデータを分散させて書き込むと同時に、誤り訂正符号にパリティを利用し、専用ディスクに書き込む方式。
RAID3の特徴
- ストライピングの方式を利用
- 誤り訂正符号に
パリティを利用 - 3台以上のディスクを使用する
RAID3とRAID4の違い
RAID3とRAID4には以下の違いがあります。
- RAID3は
ビット単位でデータを分散書き込みする - RAID4は
ブロック単位でデータを分散書き込みする
RAID5
3台以上のディスクを利用しデータと同時にパリティを生成し、データと共に複数のハードディスクに分散して格納する方式。
RAID5の特徴
- ストライピングの方式を利用
- 誤り訂正符号に
パリティを利用 - 3台以上のディスクを使用する
- データをブロック単位で扱う
RAID5のメリット
- 高い処理速度を実現
- ハードディスク1台まで故障から復旧でき、耐障害性が向上
- 利用できるデータ容量は構成している
HDD数-1本となり容量効率が良い
RAID5のデメリット
- 最低3台のディスクが必要
RAID6
3台以上のディスクを利用しパリティを二重で書き込み、データとともに複数のハードディスクに分散して格納する方式。
RAID6の特徴
- ストライピングの方式を利用
- 誤り訂正符号に
パリティを利用し、二重で書き込む - 3台以上のディスクを使用する
- データをブロック単位で扱う
RAID6のメリット
- 高い処理速度を実現
- ハードディスク2台まで故障から復旧でき、耐障害性が向上
RAID6のデメリット
- 保存できるデータ容量は構成している
HDD-2本となる - 最低3台のディスクが必要
各RAIDの特徴の覚え方
語呂合わせ(方式、誤り訂正符号)
方式(ストライピングorミラーリング)と誤り訂正符号(ハミングorパリティ)は、RAID0から順番に以下語呂合わせで覚えるのがお勧めです。
スミスはスパスパスパスパ
| 語呂 | RAIDレベル | 特徴 |
|---|---|---|
| ス | RAID0 | ストライピング、ブロック |
| ミ | RAID1 | ミラーリング |
| スは | RAID2 | ストライピング、ハミング符号、ビット |
| スパ | RAID3 | ストライピング、パリティ、ビット |
| スパ | RAID4 | ストライピング、パリティ、ブロック |
| スパ | RAID5 | ストライピング、パリティ、ブロック(分散) |
| スパ | RAID6 | ストライピング、パリティ、ブロック(分散×2重) |
語呂合わせ(データ単位)
データ単位(ブロックorビット)も同様に、以下語呂合わせをご参考にしてみてください。
ブービー賞でビブラートをブブブブブブ
| 語呂 | RAIDレベル | 特徴 |
|---|---|---|
| ブ | RAID0 | ストライピング、ブロック |
| ー | RAID1 | ミラーリング |
| ビー賞で | RAID2 | ストライピング、ハミング符号、ビット |
| ビ | RAID3 | パリティ、ビット |
| ブラートを | RAID4 | パリティ、ブロック |
| ブブ | RAID5 | パリティ、ブロック(分散) |
| ブブブブ | RAID6 | パリティ、ブロック(分散×2重) |
各RAIDの比較
各RAIDをまとめると以下のようになります。
| 項目 | RAID0 | RAID1 | RAID10 | RAID2 | RAID3 | RAID4 | RAID5 | RAID6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ストライピング | 〇 | ☓ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ミラーリング | ☓ | 〇 | 〇 | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ |
| データ単位 | ブロック | ― | ブロック | ビット | ビット | ブロック | ブロック | ブロック |
| 最低HDD数 | 2台 | 2台 | 4台 | 5台 | 3台 | 3台 | 3台 | 3台 |
| 誤り訂正符号 | ― | ― | ― | ハミング符号 | パリティ | パリティ | パリティ | パリティ |
余談
RAID2は現代のストレージ技術ではあまり使用されてなく、RAID5やRAID6が一般的に利用されています。
基本情報技術者試験の過去問
過去問を解いて、理解度を深めましょう。
基本情報技術者試験ドットコム等のリンクを載せておきます。
基本情報技術者令和元年秋期 午前問15
基本情報技術者平成21年春期 午前問13
以上で本記事の解説を終わります。
よいITライフを!