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Webサービスの開発でAPI設計を検討する際、「RESTとSOAPの違いがよくわからない」と悩む方は多いはずです。本記事では、現役エンジニアがrest soap 違いを徹底比較し、それぞれの特徴やメリット、具体的な使い分けの判断基準をわかりやすく解説します。
軽量なRESTと堅牢なSOAP、どちらがプロジェクトに最適かを見極める知識が身につきます。現場で役立つ選定スキルを、この記事で手に入れましょう。
記事のポイント
- RESTは軽量なJSON形式とステートレスな設計により、現代のWebサービス開発で主流となっているAPI形式です。
- SOAPはWS-Securityによりメッセージ単位の署名や暗号化をサポートし、金融などの高信頼システムに適しています。
- RESTでもOAuth 2.0やOpenID Connect、JWTなどを利用することで高いセキュリティを実現可能です。メッセージレベルの保護を重視するならSOAP、通信層やアプリ層での柔軟な保護を重視するならRESTという使い分けが適切です。
- 通信速度や拡張性を重視するならREST、トランザクション管理や堅牢なセキュリティを重視するならSOAPという使い分けが重要です。
- 開発効率や学習コスト、デバッグのしやすさなど、現場のエンジニアが直面する実務的な違いを詳しく解説しています。
- どちらを採用すべきか迷った際に役立つ、プロジェクト要件に基づいた具体的な判断基準と最終チェックリストを掲載しています。
RESTとSOAPの根本的な違いとそれぞれの特徴
現代のWeb開発において、システム間でデータをやり取りするためのAPI(Application Programming Interface)設計は欠かせません。その中心となるのが REST と SOAP です。
RESTは「軽量で柔軟」な設計思想であり、現代のWebサービスの主流となっています。一方、SOAPは「厳格で堅牢」なプロトコルであり、金融機関や大規模なエンタープライズシステムで根強く使われています。まずは、それぞれの基本概念を深掘りしていきましょう。
REST(Representational State Transfer)の基本概念とメリット
RESTは、Webの標準的な技術を最大限に活用するためのアーキテクチャスタイルです。特定のプロトコルを指すわけではなく、いくつかの原則に基づいた設計指針を指します。
ステートレスな通信とリソース指向の設計
RESTの最大の特徴は、 ステートレス(状態を持たない) であることです。サーバー側でクライアントの状態を保持しないため、各リクエストは独立しており、サーバーの負荷分散や拡張が容易になります。
また、すべてのデータを「リソース」として捉え、一意のURLで識別します。HTTPメソッド(GET, POST, PUT, DELETE)を使い分けることで、直感的な操作が可能です。
- GET /users/123 (ユーザー情報を取得)
- POST /users (新しいユーザーを作成)
軽量なJSON形式による高いパフォーマンス
RESTでは、データのやり取りに主に JSON(JavaScript Object Notation) を使用します。ただし、フォーマットは固定されておらず、XMLやYAML、HTMLなど任意の形式を利用でき、HTTPヘッダーのContent-Typeで指定します。
JSONはテキストベースで人間にも読みやすく、パース(解析)処理が非常に高速です。
{ "id": 123, "name": "エンジニア太郎", "role": "Developer"}この軽量さにより、モバイルアプリや低速なネットワーク環境でも 高いパフォーマンス を発揮できるのが大きなメリットです。
SOAP(Simple Object Access Protocol)の仕組みと堅牢なセキュリティ
SOAPは、XMLをベースとした厳格なメッセージ伝送プロトコルです。RESTが「スタイル」であるのに対し、SOAPは明確な「仕様」として定義されています。
XMLベースの厳格なメッセージ構造とWS-Security
SOAPはすべての通信をXMLで行います。 WSDL(Web Services Description Language) という定義ファイルを使用することで、どのようなデータを送受信すべきかが厳密に定義されます。
また、 WS-Security によってメッセージレベルの署名や暗号化が可能であり、高信頼性や機密性が求められる環境で重宝されます。
拡張仕様による分散トランザクションのサポート
SOAPは WS-Transaction や WS-AtomicTransaction などの拡張仕様と組み合わせることで、分散トランザクション管理や高い整合性を実現しやすいという特徴があります。 そのため、ACID特性を重視するエンタープライズ環境で採用されるケースがあります。
【比較表】データ形式・通信プロトコル・パフォーマンスの決定的な違い
RESTとSOAPの主な違いを以下の表にまとめました。
| 比較項目 | REST | SOAP |
|---|---|---|
| 設計思想 | アーキテクチャスタイル(柔軟) | プロトコル(厳格) |
| データ形式 | JSON, XML, HTML, テキスト等 | XMLのみ |
| 通信プロトコル | HTTP / HTTPS(RESTful APIとして標準) | 主にHTTP / HTTPS(かつてはSMTPやTCPも利用) |
| セキュリティ | HTTPS (TLS) | WS-Security, HTTPS |
| 実装の難易度 | 低い(学習コストが少ない) | 高い(専門知識が必要) |
通信オーバーヘッドとペイロードサイズの差
SOAPはXMLのタグ構造が複雑で、メッセージのヘッダー情報(Envelope)が肥大化しやすい傾向にあります。これを オーバーヘッド と呼び、通信量(ペイロードサイズ)が増大する原因となります。一方、REST(JSON)は構造がシンプルでペイロードが軽量になりやすい傾向があります。ただし、実際の通信速度やスループットはAPI設計・キャッシュ戦略・ネットワーク構成にも大きく依存します。
開発効率とスケーラビリティから見たRESTとSOAPの優劣
Web API分野では、RESTがデファクトスタンダードとして広く採用されています。特別なツールを必要とせず、ブラウザや標準的なライブラリで簡単にテストができるため、スタートアップやWebサービス開発に最適です。また、RESTのステートレス設計はスケールアウト構成を容易にします。ただし、実際のスケーラビリティはデータベースやキャッシュ戦略など、システム全体の構成設計にも依存します。
一方で、SOAPは開発に専用のツールや高度な設計が必要ですが、一度構築してしまえば「型」が決まっているため、大規模チームでの開発において誤解が生じにくいという側面もあります。しかし、現在のトレンドとしては、開発スピードと柔軟性 を重視してRESTが選ばれるケースがほとんどです。
RESTとSOAPの選択に関するよくある質問(FAQ)
APIの選定において、開発現場やプロジェクトの意思決定の場でよく投げかけられる疑問とその回答をまとめました。
なぜ現在のWebサービスの主流はSOAPではなくRESTなのか?
かつてはエンタープライズ領域を中心にSOAPが主流でしたが、現在は RESTがデファクトスタンダード となっています。その背景には、Webの進化とモバイルデバイスの普及、そして開発スタイルの変化があります。
1. JSONによる圧倒的な軽量化
RESTで主に採用されるJSON形式は、SOAPで必須となるXML形式に比べて構造が非常にシンプルです。
[データ形式の比較例]
// REST (JSON形式){"user_id": 123, "status": "active"}<!-- SOAP (XML形式) --><soap:Envelope xmlns:soap="http://www.w3.org/2003/05/soap-envelope"> <soap:Body> <GetUserStatus> <user_id>123</user_id> <status>active</status> </GetUserStatus> </soap:Body></soap:Envelope>上記のように、同じ情報を伝える場合でもSOAPは多くの オーバーヘッド(付加情報) を必要とします。通信帯域が限られるモバイル環境や、大量のリクエストを捌くクラウド環境において、この「軽さ」は通信速度とコストの両面で決定的なメリットとなりました。
2. JavaScriptとの親和性
現代のWeb開発の主流であるJavaScriptにおいて、JSONは言語標準のオブジェクトとしてそのまま扱えます。一方で、SOAP(XML)はパース(解析)に手間がかかり、フロントエンド開発における 開発効率を著しく低下 させてしまいます。
3. 学習コストの低さ
SOAPを利用するには WSDL(Web Services Description Language) といった複雑な仕様の理解や専用のライブラリが必要ですが、RESTはHTTPの標準メソッド(GET/POST/PUT/DELETE)をそのまま利用します。このシンプルさが、エンジニアの学習コストを下げ、迅速なリリースを可能にしました。
SOAPが現在でも選ばれるケースはありますか?
RESTが主流とはいえ、SOAPが完全に消えたわけではありません。以下のような 高い信頼性と厳格なセキュリティ が求められる環境では、現在もSOAPが活用されています。
| 活用シーン | 理由 |
|---|---|
| 金融機関の決済システム | 銀行間取引など、高度なトランザクション管理(ACID特性)が必要なため |
| レガシーな社内システム | 2000年代に構築された大規模な基幹システムとの連携を維持するため |
| 高度なセキュリティ要件 | メッセージレベルでの署名や暗号化(WS-Security)が必須な場合 |
このように、 パフォーマンスと柔軟性重視ならREST 、 堅牢性と厳格なルール重視ならSOAP という使い分けがなされています。
まとめ:REST/SOAP 最適なAPI設計を選ぶために
今回のまとめ:振り返りチェックリスト
-
RESTは「軽量・高速・シンプル」が武器。モダンなWebサービスやモバイルアプリ開発では、まずRESTを第一候補として検討しましょう。
-
SOAPは「堅牢・厳格・高セキュリティ」が強み。金融系システムや、高度なトランザクション管理が求められるエンタープライズ領域でその真価を発揮します。
-
「パフォーマンス重視か、信頼性重視か」 という視点で、プロジェクトの要件(データ量、セキュリティレベル、既存システムとの親和性)を照らし合わせることが、最適な技術選定の近道です。
-
アドバイス: まずは現在関わっているプロジェクトの要件定義書を見直し、「どの程度の厳密さが求められているか」を言語化してみましょう。迷ったときは、開発効率とメンテナンス性のバランスが良いRESTからプロトタイプを作ってみるのがおすすめですよ!
RESTとSOAPは、それぞれ異なる設計思想に基づいたプロトコルおよびアーキテクチャスタイルです。現代のWeb開発においては、 ** 軽量で柔軟性の高いREST ** が圧倒的なシェアを誇りますが、特定のエンタープライズ領域では ** 堅牢なSOAP ** が依然として重要な役割を担っています。
RESTとSOAPの最終比較
プロジェクトの要件に照らし合わせて、どちらを採用すべきか以下の比較表で最終確認を行いましょう。
| 比較項目 | REST (Representational State Transfer) | SOAP (Simple Object Access Protocol) |
|---|---|---|
| データ形式 | JSON, XML, テキストなど(主に JSON ) | XMLのみ |
| 通信プロトコル | HTTP / HTTPS(RESTful APIとして標準) | 主にHTTP / HTTPS(かつてはSMTPやTCPも利用) |
| パフォーマンス | 高い傾向(ペイロードが軽量) | 低い傾向(XMLパース処理により相対的にオーバーヘッドが大きい) |
| セキュリティ | HTTPS+OAuth 2.0 / JWTなど(トランスポート+アプリ層) | WS-Security(メッセージレベルでの暗号化) |
| 状態管理 | ステートレス(トークンなどで補完可能) | 状態管理をアプリケーションロジックで実装可能(RESTでも同様) |
どちらを採用すべきか?判断のチェックリスト
APIの設計手法を選択する際は、以下の基準で判断することをおすすめします。
RESTを選択すべきケース
- モバイルアプリやWebサイト のバックエンドを構築する場合
- パフォーマンスとスケーラビリティ を最優先し、通信リソースを節約したい場合
- ブラウザ上の JavaScript との親和性を重視し、開発スピードを上げたい場合
- 公開APIとして、外部のサードパーティ開発者が利用しやすい環境を提供したい場合
SOAPを選択すべきケース
- 金融機関や決済システム など、極めて厳格なトランザクション管理(ACID特性)が必要な場合
- メッセージレベルでの署名や個別の暗号化など、 高度なセキュリティ要件 がある場合
- 2000年代前後に構築された レガシーな基幹システム との連携が必須な場合
- WSDL による厳格なインターフェース定義を用いて、通信ルールを強制したい場合
エンジニアとしての視点
現代の新規プロジェクトにおいて、特別な理由がない限りは REST を選択するのが標準的なアプローチです。しかし、SOAPの仕組みを理解しておくことは、大規模なシステム統合やエンタープライズ向けのプロジェクトにおいて大きな武器となります。
「技術そのものに絶対的な優劣があるのではなく、 用途に適した選択がある」という視点を持ち、プロジェクトの規模、予算、そして将来的な拡張性を考慮して、最適なAPI設計を導き出してください。
ITエンジニアにお勧めの本
以上で本記事の解説を終わります。
よいITライフを!