スタブ・ドライバ・モックとは?初心者でも理解できる覚え方を紹介!

スタブ・ドライバ・モックとは?初心者でも理解できる覚え方を紹介!

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ソフトウェアテストに欠かせない「スタブ」「ドライバ」「モック」の違いや使い分けを解説します。初心者でも覚えやすいよう、具体例や語感を使った覚え方を紹介します。テストの基礎をしっかり理解し、実践に役立てましょう!


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1. スタブとドライバとは?

ソフトウェアテストにおいて、スタブ(Stub)とドライバ(Driver)は、単体テストや結合テストで使用される代替プログラムです。これらは、未完成のモジュールがある場合や、テスト対象のモジュールの動作を確認するために利用されます。

  • スタブ(Stub):テスト対象のモジュールが依存する下位モジュールの代替。未完成のモジュールがある場合、その機能の代わりとなる簡易的なプログラムを作成し、上位モジュールが正しく動作するか確認するために使用する。
  • ドライバ(Driver):テスト対象のモジュールを呼び出す上位モジュールの代替。上位モジュールが未完成の場合、テスト対象のモジュールを適切に動作させるためにドライバを作成し、適切な入力や制御を提供する。

2. スタブとドライバの違いと覚え方

初心者にとって、スタブとドライバを混同しないための覚え方を紹介します。

2-1. 語感で覚える

  • スタブ(Stub) は「下」にあるものと考えると分かりやすい。“Stub” の”S”を”Support”(支える)と捉え、上位モジュールを支える役割として理解する。
  • ドライバ(Driver) は「上」から操作するものと考えると分かりやすい。“Driver” の”D”を”Direct”(指示する)と捉え、テスト対象のモジュールを直接動かす役割として理解する。

2-2. 例え話で覚える

家電製品のリモコンとテレビ

  • ドライバ = リモコン(テレビを操作する)
    • リモコンがなければ、テレビを直接操作するのが難しくなる。ドライバは、テスト対象のモジュールを操作するための代替手段。
  • スタブ = テレビ(リモコンからの指示に応答する)
    • テレビの機能が未完成の場合、スタブとして仮の応答を返すプログラムを作成し、リモコンの動作を確認できるようにする。

レストランの注文システム

  • ドライバ = ウェイター(注文をキッチンに伝える)
    • ウェイターがいなければ、お客さんがキッチンに直接注文しに行かなければならない。ドライバは、テスト対象のモジュールを操作する上位モジュールの役割を担う。
  • スタブ = シェフ(実際に料理を作る人の代わり)
    • シェフが不在の場合、料理を仮に作る代替手段(スタブ)を用意することで、注文の流れがスムーズに進むかを確認できる。

3. スタブとドライバを使う場面

  • スタブは、未完成の下位モジュールがあるときに使用。上位モジュールが意図通り動作するかを検証するため、スタブを用いて下位モジュールの代わりに応答を返す。
  • ドライバは、未完成の上位モジュールがあるときに使用。テスト対象のモジュールを実行するために必要な入力を提供し、適切な動作を確認できるようにする。

4. モック(Mock)とは?

モック(Mock) は、スタブと似た概念ですが、より高度なテストを行うために使用されます。
モックは、テスト対象のモジュールが依存する外部モジュールの振る舞い(動作)をシミュレートするものであり、事前に定義した入力や出力を用意してテストを行います。
テスト対象のモジュールがどのように外部とやり取りするかを検証するために使用され、メソッドの呼び出し回数や引数の検証が可能です。

4-1. スタブとモックの違い

  • スタブは、事前に決めたデータを返すだけのシンプルなもの。
  • モックは、呼び出しの回数や引数を記録し、テストの検証に役立てることができる。

4-2. モックを使う場面

モックは、APIやデータベースなど外部との連携をテストする場合に有効です。例えば、

  • 外部APIのレスポンスをシミュレートする
  • データベースクエリの応答を模擬する
  • 特定の条件で例外を発生させる

3. 特徴と使い分け方

スタブの主な特徴:

  • 事前に決められたデータを返す。
  • ロジックは最小限で、動作確認が主な目的。
  • 例:データベースにアクセスできない場合、固定のデータを返すスタブを作成してテストする。

モックの主な特徴:

  • 事前に設定した動作を模倣し、テストのシナリオを再現。
  • メソッドの呼び出し回数や引数を検証できる。
  • 例:外部APIの呼び出しが正しいパラメータで行われているかを確認する。

3-3. スタブとモックの使い分け

項目スタブモック
目的テスト対象の動作を維持する外部とのやり取りを詳細に検証する
返すデータ固定されたデータ条件によって動作を変える
呼び出し記録しないする(回数や引数を記録)
使用例データベースの代替APIのリクエストログを検証

5. まとめ

スタブとドライバは、ソフトウェアテストの重要な概念です。
語感や例え話を使って理解し、それぞれの役割を明確に把握することで、適切に使い分けられるようにしましょう。
また、より高度なテストを行う際には、モックを活用することで、テストの精度を向上させることができます。
スタブ、ドライバ、モックは、それぞれ異なる用途で使われます。

  • スタブ:下位モジュールの代替。固定データを返し、上位モジュールのテストを支援。
  • ドライバ:上位モジュールの代替。テスト対象のモジュールを制御する役割。
  • モック:動作のシミュレーション。外部とのやり取りを詳細にテストする。

これらを適切に使い分けることで、より効果的なソフトウェアテストを実施できるようになります。


以上で本記事の解説を終わります。
よいITライフを!
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