WinMergeでPDFを比較する方法

WinMergeでPDFを比較する方法

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WinMergeとApache PDFBoxプラグインを使って、PDFファイルの差分を確認する方法を解説します。プラグイン導入手順、実際の比較手順までを丁寧に紹介。PDFのテキスト比較を効率化したい方におすすめの記事です。


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WinMergeは優れたテキスト比較ツールですが、標準状態ではPDFファイルの比較には対応していません。しかし、プラグインを利用することでPDFのテキスト内容を抽出し、WinMerge上で比較できるようになります。本記事では、WinMergeでPDFを比較するためのプラグイン設定手順と、実際の比較方法を詳しく解説します。

WinMergeでPDFを比較するPDFBoxプラグイン

WinMerge単体ではPDFのテキストを正しく読み込めませんが、以下のような手順で比較可能になります。

  1. PDF読み込み用のプラグインを導入
  2. WinMergeのプラグイン設定を有効化
  3. PDFを読み込み、テキストベースで比較

PDFBoxプラグインとは?

PDFBoxプラグインは、Apache PDFBoxを利用してPDFをテキストに変換し、WinMergeで比較可能にするプラグインです。 これにより、PDFファイルをWinMergeで直接開いて差分確認ができるようになります。

PDFBox導入に必要な準備

1. WinMerge

https://winmerge.org/ からダウンロード・インストールしてください。
本記事では「Version 2.16.50.0」で確認しました。

2. Javaの実行環境(JRE)

PDFBoxはJavaベースのため、Java Runtime Environment(JRE) が必要です。
Javaが入っていない場合はhttps://www.java.com/ja/からダウンロードしてください。
本記事では以下バージョンで確認しました。

javaバージョン
java --version
java 21.0.5 2024-10-15 LTS
Java(TM) SE Runtime Environment (build 21.0.5+9-LTS-239)
Java HotSpot(TM) 64-Bit Server VM (build 21.0.5+9-LTS-239, mixed mode, sharing)

3. Apache PDFBox(jarファイル)

本記事ではpdfbox-app-3.0.5.jarのバージョンで確認しました。

WinMerge PDFBoxプラグインの導入手順

WinMergeでPDFを読み込むには、PDFBoxプラグインを使用します。

JARファイルの配置

PDFBoxのJARファイルを以下の通り配置します。

  1. PDFBoxをダウンロード
  2. 任意のフォルダに配置

本記事では以下のようなディレクトリ構成にします。

フォルダ構成例
C:\Tools\
├─ WinMerge\
│ └─ WinMergeU.exe
├─ ーPlugin\
│ └─ pdfbox-app-x.x.xx.jar

WinMergeでプラグインを有効にする

PDFBoxのJARファイルを配置したら、WinMergeでプラグインを設定・有効化します。

WinMergeを起動

まずWinMergeを起動します。

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自動展開を設定する

[プラグイン] → [自動展開] を表示しになっていることを確認します。手動展開がになっている場合は自動展開を選択します。

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プラグインの設定を開く

メニューの [プラグイン] → [プラグインの設定] を開きます。

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「PDFBox」プラグインの追加

[プラグインを有効にする]、[自動展開…]にチェックが入っていることを確認し、[追加]を押下します。

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「PDFBox」プラグインの詳細設定

以下のようにPDFBoxの設定を行い、OKを押下します。

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設定例を表で用意しましたので、コピーしてご利用ください。

項目設定値
プラグインの種類ファイル展開プラグイン
プラグイン名PDFBox
拡張子一覧.pdf$
説明PDFファイルを比較するブラグインです。
デフォルト引数(設定なし)
カテゴリー&Others
メニューキャプションNewPlugin
ウィンドウ種別(設定なし)
展開後のファイルの拡張子(設定なし)
自動展開☑(チェックあり)
引数を要求する□(チェックなし)
エディタースクリプトを生成する□(チェックなし)
コマンドラインcmd /c java -jar "C:\Tools\WinMerge\Plugin\pdfbox-app-3.0.5.jar" export:text -alwaysNext --input="${SRC_FILE}" -ignoreBeads --output="${DST_FILE}"

コマンドラインのJARファイルパス「“C:\Tools\WinMerge\Plugin\pdfbox-app-3.0.5.jar”」は環境に合わせて編集してください。

「PDFBox」プラグインの有効化確認

PDFBoxが追加されて有効になっていることを確認し、OKを押下します。

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WinMergeを再起動

「PDFBox」プラグインを追加したら一度WinMergeを再起動します。
これでWinMergeでPDFファイルを比較した際に、PDFBoxを介してテキスト化された内容が読み込まれます。

PDFファイルの比較

PDFBoxの設定が終わったら、PDFファイルを比較して動作確認をします。

WinMergeで「ファイル → 開く」

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左右に比較対象のPDFファイルを選択

WinMergeで比較したいPDFファイルを選択して比較を押下します。

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PDFの差分確認

PDFBoxによって抽出されたテキストの差分がWinMergeに表示されます!

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WinMergePDF比較まとめ

  • WinMergeとPDFBoxとの連携でPDF比較が可能
  • PDFBoxプラグインを有効にして、設定するだけで使える(Javaが別途必要)
  • PDFBoxは無料で利用できる

WinMergeでは、PDFBoxプラグインと連携することでPDFファイルのテキスト差分を比較できます。完全なレイアウト比較は難しいものの、文書の修正内容をチェックするには十分な手段です。WinMergeの柔軟性を活かして、PDF比較の効率を高めましょう。


以上で本記事の解説を終わります。
よいITライフを!
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